無効及び取消しに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1 から5 までのうち、どれか。…

午後の部(民法) 午後の部 第1問

無効及び取消しに関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1 から5 までのうち、どれか。ア 買主が売買契約を締結した当時に意思能力を有しなかったために当該契約が無効とされる場合には、売主は、買主に対し、当該契約に基づく目的物の引渡義務を負わない。イ 売買契約が虚偽表示により無効である場合において、売主及び買主がそれぞれ無効であることを知って追認したときは、当該契約は、初めから有効であったものとみなされる。ウ 買主が強迫を理由として売買契約を取り消したときは、当該契約は、初めから無効であったものとみなされる。エ 未成年者が法定代理人の同意を得なければすることができない契約をその同意を得ることなく締結した場合において、当該法定代理人が当該契約を追認したときであっても、当該未成年者本人は、法定の期間内に相手方に対して意思表示をすることにより、当該契約を取り消すことができる。オ 取消権は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権者が取消権を有することを知った後でなければ、時効によって消滅することはない。

正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとウです。 【ア】正しい 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は無効です(民法第3条の2)。売買契約が無効なら、契約に基づく債務は初めから生じないので、売主は目的物の引渡義務を負いません。 【イ】誤り 無効な行為は、追認によってもその効力を生じません(民法第119条本文)。当事者が無効であることを知って追認したときは、新たな行為をしたものとみなされます(同条ただし書)が、その効力は追認の時から生じるもので、初めから有効であったとみなされるわけではありません。
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【ウ】正しい 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます(民法第121条)。強迫を理由に売買契約を取り消したときも同じです。 【エ】誤り 取り消すことができる行為は、取消権者(民法第120条に規定する者)が追認したときは、以後、取り消すことができません(民法第122条)。法定代理人は取消権者であり、法定代理人が追認すれば、未成年者本人もその契約を取り消すことはできなくなります。 【オ】誤り 取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは時効によって消滅し、行為の時から20年を経過したときも同様です(民法第126条)。追認をすることができるのは、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後です(民法第124条第1項)が、行為の時から20年の期間はこれと関係なく進行します。したがって、取消しの原因が消滅していなくても、20年の経過によって取消権は消滅します。 正しいのはアとウですから、正答は (2) です。

出典:2023年(令和5年度) 土地家屋調査士試験 午後の部 第1問(法務省 公表)出典元ページ

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