財務会計の役割に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。…
財務会計論 財務会計論 問題1
財務会計の役割に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(8 点)ア.株式が多くの株主に分散して所有され,個々の株主の影響力が低下した結果,株主の関心は経営者の人選や経営意思決定への参加よりも,株式投資から得られる利益に変化していったため,経営者の受託責任の遂行状況を評価するという会計報告の目的は失われ,財務会計には投資意思決定のための情報提供機能が求められている。イ.わが国では,会社法により配当の上限額が貸借対照表に基づいて規定されているため,財務会計が提供する財務諸表の数値が用いられているが,税法に基づいて課税所得計算を行うにあたっては,財務諸表の数値は参照されない。ウ.投資環境が整備され,不特定多数の人々が株式や社債などの取得を通じて容易に株主や債権者になることが可能となったことなどから,既存の株主や債権者に加えて,企業と利害関係を有していない潜在的な株主や債権者も財務会計が提供する情報の重要な受け手となっている。エ.有価証券の売手である発行企業が買手である投資家に対して自社の収益力や安全性についての情報を提供することは,証券市場が成立するために不可欠な要件であることから,財務会計は,経営者・株主・債権者の間の私的利害調整を超えて,証券市場を円滑に機能させて資金の効率的な配分を促進するという公的な役割も果たしている。
- (1)アイ
- (2)アウ
- (3)アエ
- (4)イウ
- (5)イエ
- (6)ウエ
正答 (6)
正答は (6)。潜在的な投資家も情報の重要な受け手であり(ウ)、財務会計は証券市場で資金の効率的な配分を促す公的な役割も果たします(エ)。
財務会計の役割(利害調整機能と情報提供機能)を問う問題です。
【各記述】
ア 誤り。株主が分散しても、経営者は株主から資金を預かって運用しており、その受託責任の遂行状況を報告するという会計の目的は失われていません。情報提供機能と並んで今も重要な役割です。
イ 誤り。法人税の課税所得は、株主総会の承認などを受けた決算の利益を基礎に計算します(確定決算主義)。財務諸表の数値は課税所得の計算でも用いられています。
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ウ 正しい。株式や社債の取得が容易になった結果、既存の株主・債権者だけでなく、これから投資しようとする潜在的な株主・債権者も、財務会計の情報の重要な受け手になっています。
エ 正しい。発行企業による情報提供は証券市場が成り立つ前提です。財務会計は私的な利害調整を超えて、証券市場を円滑に機能させ資金の効率的な配分を促す公的な役割を担っています。
正しいのはウとエで、(6) です。
出典:2023年(令和5年)第Ⅰ回 公認会計士試験 短答式試験 財務会計論 問題1(金融庁 公表)出典元ページ
最終更新日
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