甲マンションの管理組合から、改修計画において、防犯に配慮した設計とする上で留意すべきことの相談を受けたマンション管理士の…

建物・設備・修繕 第24問

甲マンションの管理組合から、改修計画において、防犯に配慮した設計とする上で留意すべきことの相談を受けたマンション管理士の次の発言のうち、「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」(最終改正平成18年4月20日 国住生第19号)によれば、適切なものはいくつあるか。ア 甲マンションには、管理員室が設置されていることから、住戸内と管理員室の間で通話が可能な機能を有するインターホンを設置することが望ましいので、検討してください。イ エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するようにしてください。ウ 接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りは、住戸のプライバシー確保及び防犯上の観点から、周囲から見通されないように配慮してください。エ 居住者の意向による改修は、所有形態、管理体制等による制約条件を整理するとともに、計画修繕に併せて改修すべきものと緊急に改修すべきものとに分けて検討するようにしてください。

正答 (3)
正答は (3)。 【何を問うているか】 国土交通省が示した「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」に沿った助言かどうかを判断する問題です。この指針の基本的な考え方は、周囲からの見通しを確保すること(監視性の確保)、居住者の帰属意識の向上と管理意識の高揚、犯罪企図者の侵入を防ぐこと(接近の制御)、部材や設備の破壊されにくさ(被害対象の強化・回避)の四つに整理されています。この四つの柱に照らして各肢を読むのが近道です。 【ア 適切】 指針は、共用玄関のインターホンについて、管理人室が置かれている場合には、住戸内と管理人室との間で通話が可能な機能等を有するものとすることが望ましいとしています。住戸から管理員に直接連絡が取れれば、異常に気づいたときの対応が早くなります。本肢の助言は指針に沿っており適切です。
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【イ 適切】 指針は、エレベーターのかご内について、防犯カメラ等の設備を設置するものとしています。エレベーターのかご内は密室になり、外部からの目が届かない典型的な場所ですから、監視性を補う設備が必要になります。あわせて、かご及び昇降路の出入口の扉には外部からかご内を見通せる窓を設けることや、非常時に外部と連絡できる装置を設けることも求められています。本肢の助言は適切です。 【ウ 適切でない】 指針は、接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りについて、住戸のプライバシーの確保に配慮しつつ、周囲からの見通しを確保するものとしています。見通しを遮ってしまうと、侵入しようとする者が人目につかずに作業できる場所を作ることになり、かえって危険が増すからです。本肢は「周囲から見通されないように配慮してください」としており、指針の方向とは逆ですから適切ではありません。プライバシーと見通しは両立させるものであって、プライバシーを理由に見通しを捨てるのではない、という点が要点です。 【エ 適切】 指針は、既存の共同住宅の改修についての考え方として、居住者の意向による改修は、所有形態、管理体制等による制約条件を整理するとともに、計画修繕に併せて改修すべきものと緊急に改修すべきものとに分けて検討するとしています。分譲マンションでは、共用部分の改修に総会の決議や費用の手当てが必要であり、すぐに手を付けられるものとそうでないものがあります。優先順位を分けて考えるという本肢の助言は適切です。 【まとめ】 適切なものはア、イ、エの三つですから、正答は (3) です。迷ったときは「その工夫は人の目を増やすものか、減らすものか」と問い直してください。減らす方向の助言は、たいてい指針に反します。

出典:令和元年度 マンション管理士試験問題 問24(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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