マンションにおいて共同の利益に反する行為をした義務違反者に対する措置に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正…

民法など法令 第8問

マンションにおいて共同の利益に反する行為をした義務違反者に対する措置に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

正答 (4)
正答は (4)。 【何を問うているか】 共同の利益に反する行為をした義務違反者に対する措置について、四つの手段の要件を横断的に問う問題です。 【四つの措置の整理】 区分所有法は、義務違反者に対する措置として次の四つを定めています。  行為の停止等の請求(第57条)  区分所有者にも占有者にも可能。訴えによらずに請求することもできるが、訴えを提起するには集会の普通決議が必要。  専有部分の使用禁止の請求(第58条) 区分所有者に対して。必ず訴えによる。集会の各4分の3以上の決議が必要。
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 区分所有権及び敷地利用権の競売の請求(第59条) 区分所有者に対して。必ず訴えによる。集会の各4分の3以上の決議が必要。  契約の解除及び専有部分の引渡しの請求(第60条) 占有者に対して。必ず訴えによる。集会の各4分の3以上の決議が必要。 効果が重い措置ほど、訴えによることと重い決議要件が求められる、という構造になっています。 【(1) 誤り】 このうち行為の停止等の請求だけは、訴えによらずに請求することもできます。まずは話合いや書面での申入れによって是正を促すのが通常であり、いきなり訴訟を強いる必要はないからです。訴えを提起する場合には集会の決議が必要ですが、裁判外で請求するだけであれば決議も不要です。本肢は「いずれも訴えをもってしなければならない」としている点で誤りです。 【(2) 誤り】 区分所有法第57条第4項は、占有者に対しても行為の停止等の請求ができる旨を定めています。占有者が騒音を出したり用法違反をしたりする場合に、まず行為の停止を求められないのでは実務が回りません。本肢は占有者に対して行為の停止を請求できないとしている点で誤りです。 【(3) 誤り】 専有部分の使用禁止の請求の訴えを提起するには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であり、この要件を規約で緩和することはできません。使用禁止は、区分所有者から住まいを使う権利を一定期間奪う重い措置ですから、規約による自治に委ねられていないのです。本肢は誤りです。 【(4) 正しい。これが正答】 区分所有法第59条第3項は、競売の請求を認容する判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から6月を経過したときは、することができないと定めています。判決から長い時間が経てば事情が変わっている可能性があり、いつまでも競売の危険にさらしておくのは相当でないからです。本肢は正しい記述であり、正答となります。 【あわせて押さえたいこと】 第59条の競売では、その区分所有者及びその者の指図に基づき占有する者は、買受けの申出をすることができません。競売の目的が共同生活からの排除にある以上、本人が買い戻せるのでは意味がないからです。 正答は (4) です。 ※2026年10月時点では、2025年の改正により、使用禁止・競売・契約の解除及び引渡しの請求の決議は、区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数で議決権の過半数を有する者が出席し、出席者及びその議決権の各4分の3以上の多数によるものに改められています(第58条第2項。第59条第2項・第60条第2項で準用)。

出典:令和2年度 マンション管理士試験問題 問8(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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