地上権又は地役権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,…
午前の部(民法) 午前の部 第10問
地上権又は地役権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア Aが,Bの所有する甲土地に,定期の地代を支払うことを約して竹木の所有を目的とする地上権の設定を受けている場合には,不可抗力によって地代より少ない収益しか得られなかったときであっても,AはBに対し,地代の減額を請求することができない。イ AがBの所有する甲土地に建物を所有することを目的として地上権の設定を受け,その旨の登記がされている場合には,Cが甲土地の地下に区分地上権の設定を受けるためには,Aの承諾を得なければならない。ウ Aが所有する甲土地を承役地とし,Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定されている場合において,Bが地役権の行使のために甲土地に通路を設置したときは,Aは,その通路を使用することができない。エ Aが所有する甲土地を承役地とし,Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定され,その登記がされた後,Cが乙土地に地上権の設定を受けた場合には,Cは,当該通行地役権を行使することができない。オ Aが所有する甲土地を承役地とし,Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定されたが,その登記がされない間にCが甲土地に抵当権の設定を受け,その旨の登記がされた場合には,抵当権設定時に,Bが甲土地を継続的に通路として使用していることが客観的に明らかであり,Cがこれを認識していたとしても,抵当権の実行により当該通行地役権は消滅する。
- (1)アイ
- (2)アオ
- (3)イエ
- (4)ウエ
- (5)ウオ
正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとイです。
【ア】正しい
地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合には、永小作権の規定(民法274条から276条まで)が準用されます(同法266条1項)。274条は、不可抗力によって収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができないと定めているので、地上権者Aも地代の減額を請求できません。
【イ】正しい
地下又は空間を目的とする地上権(区分地上権)は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができます(民法269条の2第2項)。甲土地にAの地上権があるので、Cが区分地上権の設定を受けるにはAの承諾が必要です。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】誤り
承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができます(民法288条1項)。Aも通路を使用できます(その場合、設置・保存の費用を利用の割合に応じて負担します。同条2項)。
【エ】誤り
地役権は、要役地の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となります(民法281条1項本文)。乙土地に地上権の設定を受けたCは、要役地の利用者として通行地役権を行使することができます。
【オ】誤り
判例は、通行地役権の承役地が担保不動産競売により売却された場合において、最先順位の抵当権の設定時に、承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、抵当権者がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、特段の事情がない限り、登記がなくても通行地役権は消滅せず、買受人に対抗できるとしました。Cが認識していた以上、抵当権の実行によって通行地役権が消滅するわけではありません。
【組み合わせ】
正しいのはアとイで、これを組とする (1) が正答です。
出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午前の部 第10問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前の部(民法)」のほかの問題
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第13問留置権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第6問Aが、Bの代理人と称して、Cとの間で、Bの所有する不動産を売却する旨の契約(以下「本件売
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第20問養子に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、
- 2024年(令和6年度) 午前の部 第13問抵当権の効力に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは
- 2025年(令和7年度) 午前の部 第6問代理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのう
- 2025年(令和7年度) 午前の部 第19問賃貸借に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までの
スポンサーリンク

