売買に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…

午前の部(民法) 午前の部 第18問

売買に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは,代金の支払についても同一の期限を付したものとみなされる。イ 売主が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において,売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したときは,買主は,その不適合の程度に応じて代金の減額を請求するために,履行の追完の催告をすることを要しない。ウ 売主が売買の目的物の引渡しを遅滞しているときは,買主に対して現実に目的物の引渡しがされていなくとも,売買の目的物から生じた果実は買主に帰属する。エ 売主が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合であっても,売主の責めに帰すべき事由がないときは,買主は,その不適合を理由として,当該売買契約の解除をすることができない。オ 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合であっても,買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなかったときは,売主がその引渡しの時にその不適合を知り,又は重大な過失によって知らなかったときを除き,買主は,その不適合を理由として,損害賠償の請求をすることができない。

正答 (4)
正答は (4)。正しいのはイとオです。 【ア】誤り 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと「推定」されます(民法573条)。「みなされる」のではないので、反対の事実を証明すればくつがえります。 【イ】正しい 引き渡された目的物が契約の内容に適合しない場合、買主は、原則として相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に追完がないときに代金の減額を請求できます(民法563条1項)。ただし、売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したときなどは、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求できます(同条2項2号)。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】誤り まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は売主に帰属します(民法575条1項)。判例は、売主が引渡しを遅滞している場合でも、買主が代金を支払っていない限り、売主は果実を取得できるとしています(果実と代金の利息を相殺的に扱う趣旨)。引渡しの遅滞だけで果実が買主に帰属するわけではありません。 【エ】誤り 契約不適合を理由とする解除は、債務不履行による解除の一般規定(民法541条・542条)によります(同法564条)。2020年4月施行の改正後の解除には、債務者(売主)の帰責事由は要りません。売主に帰責事由がなくても解除できます(債権者である買主の責めに帰すべき事由による不履行のときは解除できません。同法543条)。 【オ】正しい 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができません。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りではありません(民法566条)。 【組み合わせ】 正しいのはイとオで、これを組とする (4) が正答です。 【覚え方】 566条の1年の期間制限は「種類・品質」の不適合だけで、「数量」や権利の不適合には適用されません。また、1年以内にするのは「通知」で、請求や訴えの提起まで要るわけではありません。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午前の部 第18問(法務省 公表)出典元ページ

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「午前の部(民法)」のほかの問題

  1. 2022年(令和4年度) 午前の部 第21問成年後見監督人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5
  2. 2023年(令和5年度) 午前の部 第14問動産質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記
  3. 2024年(令和6年度) 午前の部 第8問相隣関係に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5まで
  4. 2024年(令和6年度) 午前の部 第21問扶養に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1
  5. 2025年(令和7年度) 午前の部 第14問法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、
  6. 2022年(令和4年度) 午前の部 第7問不動産の物権変動に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク