親権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…

午前の部(民法) 午前の部 第21問

親権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 嫡出でない子を父が認知した場合には,その子に対する親権は,父母の間に婚姻関係がなくとも,父と母が共同して行う。イ 親権を行う母が,第三者の債務の担保として,子を代理して,その子が所有する不動産に抵当権を設定する行為は,特別代理人の選任を要する利益相反行為に当たる。ウ 父母が共同して親権を行う場合に,父母の一方が,他方の意思に反して,父母共同の名義で子に代わってした法律行為は,この事情を相手方が知っていたときは,効力を生じない。エ 父又は母による親権の行使が困難であることにより子の利益を害する場合には,検察官は,家庭裁判所に対し,その父又は母について親権停止の審判を請求することができる。オ 親権者による管理権の行使が不適当であることにより子の利益を害する場合に,家庭裁判所は,審判によって,その親権者について管理権のみを喪失させることはできない。

正答 (4)
正答は (4)。正しいのはウとエです。 【ア】誤り 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行います(民法819条4項)。父母の間に婚姻関係がない場合、認知があっても共同親権にはならず、協議(又は協議に代わる審判)で父と定めない限り、母が親権を行います。※2026年10月時点では、2026年4月1日施行の改正で、父母の協議により父母の双方を親権者と定めることもできるようになっています(民法819条4項ただし書)。認知だけで当然に共同親権になるわけではない点は変わりません。
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【イ】誤り 利益相反行為(民法826条)に当たるかどうかは、行為の外形から客観的に判断し、親権者の動機や意図は問わないとするのが判例です。親権者が第三者の債務の担保として子の不動産に抵当権を設定する行為は、外形上、親権者と子の利益が相反するものではないので、利益相反行為には当たりません(親権者自身がその債務の連帯保証人であるなどの事情があれば別です)。なお、子の利益を無視して自己又は第三者の利益を図ることのみを目的とする場合は、代理権の濫用の問題となります。 【ウ】正しい 父母が共同して親権を行う場合に、父母の一方が共同の名義で子に代わって法律行為をし、又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられません。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りではありません(民法825条)。相手方が知っていたときは効力を生じません。 【エ】正しい 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができます(民法834条の2第1項)。検察官も請求権者です。 【オ】誤り 父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができます(民法835条)。管理権だけを喪失させることができます。 【組み合わせ】 正しいのはウとエで、これを組とする (4) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午前の部 第21問(法務省 公表)出典元ページ

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