地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第10問
地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 地上権は、一筆の土地の一部にも設定することができる。イ 地上権の取得時効が成立するためには、土地の継続的な使用という外形的事実が存在することのほかに、その使用が地上権行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることを要する。ウ 無償の地上権は、設定することができない。エ 地上権は、抵当権の目的とすることができない。オ 建物所有目的の地上権が設定された土地の上にある地上権者が所有する建物が強制競売に付された場合には、その建物の買受人は、その地上権を取得することができない。
- (1)アイ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)ウエ
- (5)エオ
正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとイです。
【ア】正しい
地上権は、一筆の土地の一部にも設定することができると解されています(登記をするには分筆が必要です)。一筆の土地の一部であっても、その範囲が特定できれば、地上権を設定することは妨げられません。
【イ】正しい
判例は、地上権の取得時効が成立するためには、土地の継続的な使用という外形的事実が存在するほかに、その使用が地上権行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることを要するとしています(民法163条)。賃借権や使用借権による使用と区別するためです。
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【ウ】誤り
地代の支払は地上権の要素ではありません。民法266条は、地上権者が「定期の地代を支払わなければならない場合」について定めているにすぎず、無償の地上権も設定できます。
【エ】誤り
地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができます(民法369条2項)。
【オ】誤り
建物所有目的の地上権は、建物の従たる権利として、建物の処分に伴って移転すると解されます。地上権は物権なので譲渡に土地所有者の承諾は要らず、強制競売で建物を買い受けた者は地上権も取得します。これに対し、建物の敷地の利用権が土地の賃借権である場合は、賃借権の譲渡に賃貸人の承諾が必要で(民法612条1項)、競売の買受人は、賃貸人が承諾しないときは、承諾に代わる許可を裁判所に申し立てることができます(借地借家法20条1項)。
【組み合わせ】
正しいのはアとイで、これを組とする (1) が正答です。
出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第10問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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