法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか…

午前の部(民法) 午前の部 第12問

法定地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 法定地上権の成立要件が充足されていても法定地上権の成立は認めないという趣旨の特約を抵当権設定の当事者間において締結したとしても、法定地上権は成立する。イ 法定地上権が成立する土地の範囲は、法定地上権の対象となる建物が接地する部分に限られる。ウ 法定地上権の存続期間は、当事者間の協議によって定めることはできない。エ 地上建物に仮差押えがされ、その後、当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において、土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたものの、その後に土地が第三者に譲渡された結果、当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったときは、法定地上権は成立しない。オ 土地を目的とする第一順位の甲抵当権と第二順位の乙抵当権が設定され、甲抵当権設定時には土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったが、乙抵当権設定時にはこれらが同一の所有者に属していた。この場合において、甲抵当権が消滅し、その後、乙抵当権の実行により土地と地上建物の所有者を異にするに至ったときは、法定地上権が成立する。

正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとオです。 法定地上権(民法388条)は、抵当権設定当時に土地と建物が同一の所有者に属し、抵当権の実行で所有者を異にするに至ったときに成立します。 【ア】正しい 法定地上権は、建物の存続という公益的な理由から法律が成立させるものです。判例は、抵当権設定の当事者間で法定地上権を成立させない旨の特約をしても、その特約は効力がなく、法定地上権は成立するとしています。 【イ】誤り 判例は、法定地上権が成立する範囲は、建物の敷地(建物が接地する部分)に限られず、建物を利用するのに必要な限度で敷地以外の部分にも及ぶとしています。
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【ウ】誤り 法定地上権の地代は、当事者の請求により裁判所が定めるとされています(民法388条後段)が、存続期間については定めがなく、当事者の協議で定めることができると解されています。協議が調わないときは、借地借家法の規定(存続期間30年)によることになります。 【エ】誤り 判例は、地上建物に仮差押えがされ、その後これが本執行に移行して強制競売がされた場合には、土地と地上建物が仮差押えの時点で同一の所有者に属していれば、その後に土地が第三者に譲渡されて差押えの時点では同一の所有者に属していなかったとしても、法定地上権(民事執行法81条)が成立するとしています。仮差押えの時点を基準とする点が要点です。 【オ】正しい 判例は、土地の一番抵当権の設定時には土地と建物の所有者が異なっていたが、二番抵当権の設定時には同一の所有者に属していた場合、一番抵当権が設定契約の解除などで消滅した後に二番抵当権が実行されたときは、法定地上権が成立するとしています。一番抵当権が消滅していれば、その担保価値を損なうおそれがないからです(一番抵当権が存続したまま実行される場合は成立しません)。 【組み合わせ】 正しいのはアとオで、これを組とする (2) が正答です。

出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第12問(法務省 公表)出典元ページ

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