婚姻に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第20問
婚姻に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 詐欺による婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。イ 養子Aと養親Bが離縁をしたことによって親族関係が終了した後は、AとBは、婚姻をすることができる。ウ 配偶者のある者が重ねて婚姻をした場合には、その後婚は当然に無効である。エ 婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があった場合において、それが単に他の目的を達成するための便法であって真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻はその効力を生じない。オ 夫婦の一方が婚姻中自己の名で得た財産は、その夫婦の共有に属するものと推定される。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)ウオ
正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとエです。
【ア】正しい
婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生じます(民法748条1項)。詐欺又は強迫による婚姻の取消し(民法747条)も同じです。婚姻の取消しには遡及効がありません。
【イ】誤り
養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と、養親又はその直系尊属との間では、離縁によって親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができません(民法736条)。
【ウ】誤り
配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができません(民法732条)が、これに違反した婚姻は無効ではなく、取消しの対象となります(民法744条)。当然に無効になるわけではありません。
解説の続きをみる続きを閉じる
【エ】正しい
判例は、婚姻をする意思とは、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思をいい、当事者間に婚姻の届出自体について意思の合致があっても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎず、真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻は効力を生じないとしています(民法742条1号)。
【オ】誤り
夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産)とされます(民法762条1項)。共有に属するものと推定されるのは、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産です(同条2項)。
【まとめ】
正しいのはアとエで、この組合せは (1) です。
【整理】
婚姻の無効原因は、人違いなどで婚姻をする意思がないとき・届出をしないときの2つだけです(民法742条)。重婚・近親婚・不適齢婚・詐欺強迫は取消原因です(民法744条・747条)。再婚禁止期間の違反もかつては取消原因でしたが、再婚禁止期間の規定(旧733条)は2024年4月1日に削除されました。
出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第20問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前の部(民法)」のほかの問題
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第23問遺言執行者に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せ
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第16問多数当事者の債権及び債務に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第9問次の対話は、所有権の取得に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオ
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第23問遺言に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1
- 2024年(令和6年度) 午前の部 第16問債権者Aが債務者Bに対して有する金銭債権を保全するための詐害行為取消権の行使に関する次の
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第9問占有訴権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後
スポンサーリンク

