事務管理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。…

午前の部(民法) 午前の部 第19問

事務管理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 管理者は、本人が既に知っている場合を除き、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。イ 管理者は、本人のために有益な債務を負担したときは、本人に対して、自己に代わってその債務を弁済することを請求することができる。ウ 管理行為が本人の意思に反してされた場合は、本人の意思に反することがその開始時において明らかであるかどうかにかかわらず、事務管理は成立しない。エ 管理者は、いつでも事務管理を中止することができる。オ 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重過失があるのでなければ、その事務管理によって生じた損害を賠償する責任を負わない。

正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとエです。 【ア】正しい 管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければなりません。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでありません(民法699条)。 【イ】正しい 民法702条2項は、委任の650条2項を準用しています。管理者が本人のために有益な債務を負担したときは、本人に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求できます(代弁済請求)。 【ウ】誤り 管理行為が本人の意思に反することが明らかなときは、事務管理は成立しないと解されています。しかし、本人の意思に反することが明らかでない場合は、事務管理は成立します。民法702条3項が「管理者が本人の意思に反して事務管理をしたとき」の費用償還を現存利益の限度に制限しているのは、意思に反する事務管理も成立し得ることを前提としています。「明らかであるかどうかにかかわらず成立しない」とする点が誤りです。
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【エ】誤り 管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければなりません(民法700条本文)。継続しなくてよいのは、継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかなときに限られます(同条ただし書)。いつでも中止できるわけではありません。 【オ】正しい 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負いません(民法698条、緊急事務管理)。 【組み合わせ】 誤っているのはウとエで、これを組とする (4) が正答です。

出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第19問(法務省 公表)出典元ページ

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