相続の限定承認に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第22問
相続の限定承認に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 限定承認者は、受遺者に弁済をした後でなければ、相続債権者に弁済をすることができない。イ 民法第927条第1項の期間内に同項の申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、相続財産について特別担保を有する場合を除き、残余財産についてのみその権利を行使することができる。ウ 限定承認をした相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の清算人を選任しなければならない。エ 民法第927条第1項の期間が満了した後は、限定承認者は、弁済期に至らない債権であっても、相続財産をもって、その期間内に同項の申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。オ 限定承認をした共同相続人の一人が相続財産を処分したときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、共同相続人の全員に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる。(参考)民法第927条 限定承認者は、限定承認をした後5日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。2~4 (略)
- (1)アウ
- (2)アオ
- (3)イエ
- (4)イオ
- (5)ウエ
正答 (2)
正答は (2)。誤っているのはアとオです。
【ア】誤り
限定承認者は、相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができません(民法931条)。順序が逆です。被相続人の債務の弁済を、無償で利益を受ける受遺者への弁済より優先させる趣旨です。
【イ】正しい
民法927条1項の期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、残余財産についてのみその権利を行使できます。ただし、相続財産について特別担保を有する者は、この限りではありません(同法935条)。
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【ウ】正しい
相続人が数人ある場合(共同相続人の全員で限定承認をした場合)には、家庭裁判所は、相続人の中から相続財産の清算人を選任しなければなりません(民法936条1項)。令和5年4月1日施行の改正で、名称が「相続財産の管理人」から「相続財産の清算人」に改められています。
【エ】正しい
民法927条1項の期間が満了した後は、限定承認者は、相続財産をもって、期間内に申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければなりません(同法929条本文)。弁済期に至らない債権であっても、この規定に従って弁済しなければなりません(同法930条1項)。
【オ】誤り
限定承認をした共同相続人の一人又は数人について、相続財産の処分などの法定単純承認の事由(民法921条1号・3号)があるときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、「当該共同相続人」に対し、その相続分に応じて権利を行使できます(同法937条)。権利を行使できるのは処分をした相続人に対してで、共同相続人の全員に対してではありません。
【組み合わせ】
誤っているのはアとオで、これを組とする (2) が正答です。
出典:2023年(令和5年度) 司法書士試験 午前の部 第22問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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