未成年者に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第4問
未成年者に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができる。イ 未成年者に対して意思表示をした者は、未成年者の法定代理人がその意思表示を知った後は、その意思表示をもって未成年者に対抗することができる。ウ 未成年者は、その法定代理人の同意を得ないで、負担付贈与の申込みを承諾することができる。エ 未成年者が認知をするには、その法定代理人の同意を要しない。オ 父母の離婚により15 歳以上の未成年者が親権者である父又は母と氏を異にする場合には、その未成年者は、家庭裁判所の許可を得ることなく、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その親権者である父又は母の氏を称することができる。
- (1)アイ
- (2)アエ
- (3)イオ
- (4)ウエ
- (5)ウオ
正答 (5)
正答は (5)。誤っているのはウとオです。
【ア】正しい
民法第5条第3項は、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内で未成年者が自由に処分でき、目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも同様と定めています。いわゆるお小遣いのように、目的を定めずに処分を許した財産は、未成年者が自由に処分できます。
【イ】正しい
民法第98条の2は、意思表示の相手方が受領の時に未成年者であったときは、その意思表示をもって相手方に対抗できないとしつつ、ただし書で、相手方の法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでないと定めています(第1号)。法定代理人が知った後は、未成年者に対抗できます。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】誤り
未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要ですが、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為は除かれます(第5条第1項)。負担付贈与を承諾すると、受贈者は負担という義務を負うので、「単に権利を得る」行為には当たりません。法定代理人の同意が必要です。
【エ】正しい
民法第780条は、認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しないと定めています。認知は本人の意思を尊重すべき身分行為なので、意思能力があれば単独でできます。
【オ】誤り
子が父又は母と氏を異にする場合に、子がその父又は母の氏を称するには、原則として家庭裁判所の許可を得て届け出る必要があります(第791条第1項)。家庭裁判所の許可が要らないのは、父又は母が氏を改めたことで子が父母と氏を異にする場合で、父母の婚姻中に限られます(同条第2項)。父母の離婚によって氏を異にする場合は第1項の原則どおりで、家庭裁判所の許可が必要です。なお、15歳以上の子は自ら届け出ることができ、15歳未満のときは法定代理人が代わって行います(同条第3項)。
【見分け方】
「単に権利を得る」行為に当たるかは、その行為で未成年者が何らかの義務を負うかで判断します。負担付贈与の承諾、弁済の受領(債権を失う)などは同意が必要な行為です。
誤っているのはウとオですから、正答は (5) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第4問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前の部(民法)」のほかの問題
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第7問土地の所有権又は賃借権に基づく請求権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第20問婚姻又は離婚に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 ま
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第13問留置権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第6問Aが、Bの代理人と称して、Cとの間で、Bの所有する不動産を売却する旨の契約(以下「本件売
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第20問養子に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、
- 2025年(令和7年度) 午前の部 第13問権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、
スポンサーリンク

