権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…

午前の部(民法) 午前の部 第13問

権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 地上権及び永小作権も、質権の目的とすることができる。イ 質権者は、被担保債権である金銭債権及び質権の目的である金銭債権の弁済期がいずれも到来したときは、被担保債権の額にかかわらず、質権の目的である金銭債権の全額を取り立てることができる。ウ 同一の債権について数個の質権が設定された場合には、その質権の順位は、設定の前後による。エ 質権設定者は、被担保債権の弁済期の到来前であっても、質権の目的である債権を自働債権として相殺をすることはできない。オ 現に発生していない債権も、質権の目的とすることができる。

正答 (3)
正答は (3)。誤っているのはイとウです。 【ア】正しい 質権は、財産権をその目的とすることができます(民法362条1項)。地上権や永小作権も譲渡性のある財産権なので、質権の目的とすることができます。 【イ】誤り 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができますが、債権の目的物が金銭であるときは、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができます(民法366条1項・2項)。被担保債権の額にかかわらず全額を取り立てられるわけではありません。 【ウ】誤り 債権を目的とする質権を第三者に対抗するには、民法467条の規定に従い、第三債務者への通知又はその承諾が必要で、第三者に対しては確定日付のある証書による通知・承諾を要します(民法364条)。同一の債権に数個の質権が設定された場合の優劣は、この第三者対抗要件を備えた先後によって決まります。動産質のように「設定の前後」によるのではありません。
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【エ】正しい 質権設定者は、質入れした債権の担保価値を維持する立場にあり、その債権を消滅させたり担保価値を減らしたりする行為(取立て・免除・その債権を自働債権とする相殺など)をすることができないと解されています。被担保債権の弁済期の到来前であっても同じです。 【オ】正しい 民法364条は「現に発生していない債権を目的とするものを含む」と定めており、将来発生する債権も質権の目的とすることができます。 【まとめ】 誤っているのはイとウで、この組合せは (3) です。 【整理】 債権質の要点は、①直接取立ては被担保債権額の限度(金銭債権の場合)、②対抗要件は債権譲渡と同じ通知・承諾(第三者には確定日付)、③将来債権も目的にできる、の3つです。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第13問(法務省 公表)出典元ページ

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