保証に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…

午前の部(民法) 午前の部 第17問

保証に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 保証契約は、その内容を記録した電磁的記録によっても有効に締結することができる。イ 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であって保証人が法人でないものは、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を定めなければ、その効力を生じない。ウ 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であって保証人が法人であるものにおける主たる債務の元本は、主たる債務者が死亡したときは、確定する。エ 事業の用に供する建物の賃貸借契約に基づく賃料債務を主たる債務とする保証契約は、その契約の締結に先立ち、公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。オ 主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証を法人でない者に委託する場合には、その者に対し、財産及び収支の状況を含む民法所定の事項に関する情報を提供しなければならない。

正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとエです。 【ア】正しい 保証契約は、書面でしなければ効力を生じません(民法第446条第2項)。同条第3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなすと定めています。電磁的記録による保証契約も有効です。 【イ】正しい 民法第465条の2第1項・第2項のとおりです。個人根保証契約(一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約で、保証人が法人でないもの)の保証人は、主たる債務の元本、利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及び保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として履行の責任を負い、極度額を定めなければ契約は効力を生じません。2020年4月施行の改正で、貸金等債務に限らず全ての個人根保証契約に広げられました。
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【ウ】誤り 主たる債務者又は保証人が死亡したときに元本が確定するのは、個人根保証契約です(第465条の4第1項第3号)。保証人が法人である根保証契約には、この規定は適用されません。法人の根保証では、主たる債務者が死亡しても、それだけで元本は確定しません。 【エ】誤り 保証契約の締結に先立ち、締結の日前1か月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ効力を生じないとされるのは、事業のために負担した「貸金等債務」を主たる債務とする保証契約などです(第465条の6第1項)。事業用建物の賃料債務は貸金等債務ではないので、この規律は適用されません。 【オ】正しい 民法第465条の10第1項は、主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況、主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況、担保として提供し又は提供しようとするものがあるときはその旨及びその内容について情報を提供しなければならないと定めています。この義務は、保証人が法人である場合には適用されません(同条第3項)。法人でない者に委託する場合は提供が必要です。 【整理】 極度額:個人根保証の全部(第465条の2) 公正証書による意思表示:事業のための貸金等債務の保証・根保証(第465条の6) 契約締結時の情報提供:事業のための債務の保証の委託、保証人が個人のとき(第465条の10) 誤っているのはウとエですから、正答は (4) です。

出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第17問(法務省 公表)出典元ページ

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