所有者不明土地管理命令及び管理不全土地管理命令に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5ま…

午前の部(民法) 午前の部 第10問

所有者不明土地管理命令及び管理不全土地管理命令に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 土地が数人の共有に属する場合には、所有者不明土地管理命令と管理不全土地管理命令のいずれについても、当該土地の共有持分を対象として発することができる。イ 所有者不明土地管理命令と管理不全土地管理命令のいずれについても、その効力は、管理命令の対象とされた土地の上にある当該土地の所有者が所有する動産にも及ぶ。ウ 管理命令の対象とされた土地に関する訴えについては、所有者不明土地管理命令と管理不全土地管理命令のいずれかが発せられた場合でも、その命令において選任された管理人を原告又は被告としなければならない。エ 裁判所が管理命令の対象とされた土地の処分について許可をするには、所有者不明土地管理命令と管理不全土地管理命令のいずれかが発せられた場合でも、当該土地の所有者の同意を要しない。オ 所有者不明土地管理人と管理不全土地管理人のいずれについても、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。

正答 (4)
正答は (4)。正しいのはイとオです。 【ア】誤り 所有者不明土地管理命令は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地について発せられ、土地が数人の共有に属する場合には、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地の共有持分を対象として発することができます(民法264条の2第1項)。これに対し、管理不全土地管理命令は、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合に、その土地を対象として発せられるもので(民法264条の9第1項)、共有持分を対象とする定めはありません。
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【イ】正しい 所有者不明土地管理命令の効力は、その土地にある動産(土地の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る)に及びます(民法264条の2第2項)。管理不全土地管理命令についても、その土地にある動産(土地の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る)に効力が及ぶとされています(民法264条の9第2項)。 【ウ】誤り 所有者不明土地管理命令が発せられると、土地の管理処分権は所有者不明土地管理人に専属し(民法264条の3第1項)、その土地に関する訴えについては、所有者不明土地管理人を原告又は被告とします(民法264条の4)。これに対し、管理不全土地管理人には管理処分権が専属しないので、このような規定はなく、所有者が当事者となる訴えは妨げられません。 【エ】誤り 管理人が保存行為などの範囲を超える行為をするには、裁判所の許可が必要です(民法264条の3第2項・264条の10第2項)。管理不全土地管理命令の場合、管理不全土地の処分についての裁判所の許可は、その所有者の同意がなければすることができません(民法264条の10第3項)。所有者の同意が要らないのは所有者不明土地管理命令の場合だけです。 【オ】正しい 所有者不明土地管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができます(民法264条の6第2項)。管理不全土地管理人も同様です(民法264条の12第2項)。 【まとめ】 正しいのはイとオで、この組合せは (4) です。 【見分け方】 二つの管理命令の違いは「所有者がいるかどうか」から考えます。所有者不明土地管理人は所有者に代わって管理処分権を独占するので、訴訟の当事者になり、処分に所有者の同意は不要です。管理不全土地管理人は所有者がいる前提なので、管理処分権は専属せず、処分には所有者の同意が要ります。持分を対象にできるのも所有者不明の側だけです。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第10問(法務省 公表)出典元ページ

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