遺留分に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第23問
遺留分に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 被相続人の兄弟姉妹は、遺留分権利者である。イ 被相続人が相続人に対して当該相続人の生計の資本としてした贈与であって、相続開始前の10年間にしたものは、その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入する。ウ 受遺者が複数ある場合には、遺留分権利者は、一人の受遺者の無資力によって生じた損失を他の受遺者に請求することができる。エ 裁判所は、受遺者の請求により、遺留分権利者の権利行使によって当該受遺者が負担する金銭債務の全部又は一部の支払について、相当の期限を許与することができる。オ 相続の開始後における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
- (1)アウ
- (2)アエ
- (3)イエ
- (4)イオ
- (5)ウオ
正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとエです。
【ア】誤り
遺留分を有するのは、兄弟姉妹以外の相続人です(民法1042条1項)。兄弟姉妹には遺留分がありません。
【イ】正しい
遺留分を算定するための財産の価額には、相続開始前の1年間にした贈与の価額が算入されますが、相続人に対する贈与については、相続開始前の10年間にしたもので、婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限って算入されます(民法1044条1項・3項)。記述はこの場合に当たります。
【ウ】誤り
受遺者又は受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰します(民法1047条4項)。他の受遺者に請求することはできません。
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【エ】正しい
裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、遺留分侵害額請求によって負担する金銭債務の全部又は一部の支払につき、相当の期限を許与することができます(民法1047条5項)。
【オ】誤り
家庭裁判所の許可が必要なのは、相続の開始前における遺留分の放棄です(民法1049条1項)。相続の開始後の遺留分の放棄は、遺留分権利者が自由にすることができ、家庭裁判所の許可は要りません。
【まとめ】
正しいのはイとエで、この組合せは (3) です。
【整理】
遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人である場合は遺留分を算定するための財産の価額の3分の1、それ以外の場合は2分の1です(民法1042条1項)。相続人以外の第三者への贈与は原則として相続開始前の1年間のものだけが算入されますが、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってした贈与は、1年より前のものも算入されます(民法1044条1項後段)。
出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第23問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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